麻雀の三味線って何?用語の意味や具体例などを解説

麻雀にはさまざまなマナーがありますが、なかでも「三味線」は絶対に相手に対して行ってはいけない行為とされています。
では、実際に三味線と呼ばれる行為にはどのようなものが該当するのでしょうか。
今回の記事では、麻雀における三味線の意味や禁止されている理由について解説します。
三味線に当たらないように注意するべきポイントであったり、実際に三味線とみなされてしまった場合の罰則であったりについてもあわせて紹介いたします。
麻雀を楽しむうえで守っていきたいマナーのひとつですので、相手を不快な思いにさせてしまわないためにもぜひ一読ください。
・麻雀における三味線とは何か
・三味線とみなされてしまう行為や罰則
・麻雀で三味線にならないようにするためのポイント
などについて解説していきます。
麻雀における三味線とは相手を惑わす行為
麻雀で禁止されている行為である三味線とは、試合中に相手を意図的に惑わす行為について指しています。
どのような部分が麻雀では三味線と呼ばれているのか、その中身や言葉の由来についても見てみましょう。
惑わす方法は言動や行動など多岐にわたる
麻雀における三味線は、試合中に言動や行動を用いて相手を不必要に惑わしてしまうことです。
仲の良いメンバーで雑談しながら試合を楽しむならともかく、本来麻雀では試合と関係のない発言を控えるべきなのです。
また、試合中の不穏な動きや行動によって、相手に余計な情報を与えたり、思い込ませたりするのも三味線とみなされる場合があります。
簡潔にまとめるなら、ゲームとは無関係に余計な行動を行うことが、三味線となってしまうため注意しましょう。
麻雀の三味線の由来
もともと三味線本来の意味は口三味線であり、三味線の伴奏を口で真似ることでした。
それの意味が少し変わっていき、口先で相手を騙すという意味に変わったものといわれています。
麻雀ではこの三味線を、自分に有利な試合展開にするために嘘をついて相手を惑わす、という解釈で使われるようになっていき、対局中にそう表現されるようになったのです。
なので相手から「三味線」と言われた場合は、あまりいい印象を抱かれていないのは間違いないため、日頃から三味線と思われないように気をつける必要があります。
麻雀の三味線はなぜだめなの?
麻雀において三味線は控えるべきマナーであることに触れたので、次はなぜ三味線がだめなのかの理由について考えてみましょう。
三味線を相手に行ってしまうと、プレイヤー同士の空気感が悪くなるだけでなく、麻雀のゲーム性そのものが失われてしまいかねません。
自分が三味線にならないために、だめな理由についてもしっかりとチェックして理解しておくことが重要です。
プレイヤー同士が不要に揉めないようにするため
麻雀の三味線がだめな理由はなんといっても、プレイヤー同士の揉めごとを防ぐためです。
もちろん、もともと仲のよいメンバーで集まって、冗談を交わしながら麻雀を打つのはよいことですし、そのくらいなら問題はないといえます。
ですが、麻雀を打つにあたって、知らない人やあまり仲良くがない人、初対面の人を相手に対局する場合もあるでしょう。
そういったときに不必要な発言や行動を行ってしまうと、それが嘘だと捉えられてしまったり、マナーを疑われてしまったりすることも出てきます。
気の知れた仲で麻雀を打つとき以外は、言動や行動に注意しましょう。
麻雀のゲーム性を三味線によって薄めてしまうから
三味線を行ってしまうと、麻雀のゲーム性そのものがなくなってしまうというのも、三味線が禁止されている大きな理由です。
麻雀は相手の手牌や自分の手牌、山に残っている牌など、ゲームの内容がすべてわからない状態で対局する、いわゆる不完全情報のゲームとなっています。
それが麻雀の面白さでもあり、駆け引きや雰囲気を楽しみながら打つのが醍醐味です。
三味線はこのゲーム性をすべて壊してしまう行為で、本来知ることのない情報をほのめかされることで、駆け引きの面白さや考える楽しさがなくなってしまいます。
上記で紹介した揉めごとを防ぐこと以外にも、麻雀そのものを楽しむために三味線は絶対にしないようにしましょう。
麻雀の三味線の具体例を5つ紹介
麻雀の三味線がだめな理由が理解できたところで、次に実際に三味線とみなされてしまうことが多い具体例を5つ紹介します。
主な具体例は、
・待ち牌・役を発言している
・何を狙っているかを発言してくる
・役の高い・安いをほのめかす
・ため息などのイラつきや感情を見せる
・行動する際に不自然な間や長考がある
などです。
三味線は主に発言など言動によるものや、行動や態度によるものがあります。
何気なく対局中に行ってしまいそうなものも含まれているので、知らないうちに三味線とみなされないように注意を払う必要があるといえるでしょう。
それぞれの具体例を、細かくチェックしていきましょう。
待ち牌・役を発言している
三味線と呼ばれる行為として最初に挙げるのは、自分の待ち牌や役を相手に向かって発言していることです。
「〇〇(牌)こい!」や、「〇〇(役)しか狙えないな〜」といった発言は三味線ととらえられてしまうため、対局中は控えましょう。
待ち牌を発言することで手牌が何なのか想像しやすくなってしまうことや、役を発言することでも同様に手牌や戦略が連想しやすくなります。
自分の待ち牌や役は発言せず、相手にわからないように打つことを心がけましょう。
何を狙っているかを発言してくる
先ほど紹介した待ち牌や役とも似ていますが、自分が狙っている手や戦法を明らかにするのも三味線となります。
発言内容的にはロンやツモあがり狙いであることを発言したり、ドラ・裏ドラなどを狙っていることをほのめかしたりすることが該当します。
内容によっては正直微妙な線というか、グレーゾーンな雰囲気もありますが、こういった狙い発言を行うことで相手に不要な情報を与えてしまうことや、自分の手を相手に公開していることと同義になってしまう点から三味線とみなされることがほとんどです。
明確な狙いがあっても、相手には発言しないようにしましょう。
役の高い・安いをほのめかす
自分の役が高いか安いか、といった情報を対局中に相手へ流すのも三味線です。
「安い役しか揃っていない」や「高い役が来てるからおりた方がいい」などといった、自分の役を相手にけしかけて場を乱そうとするのが三味線となります。
もちろん高い手が本当に来ていて発言するのもアウトですし、本当は安い手なのに高く見せるのもアウトです。
本来なら手牌は相手にいっさい伝わらない情報であるところからも、自分が揃えている・揃いそうな役について発言するのは絶対にやめましょう。
ため息などのイラつきや感情を見せる
感情的な部分となってしまいますが、対局中に明らかなイラつきやため息などの態度を露骨に出すのも三味線とみなされる場合があります。
本当は高い手が揃っていたり、展開が自分に向いていたりするのにも関わらずあえてイラついてみることや、もちろん展開が悪いときにため息をつく、というのもNGです。
勝ち負けがあるゲームなので感情的になるのはある種仕方がないともいえますが、それを相手に不必要に見せたり、感情を利用してゲーム展開を変えようとしたりするのはやめておきましょう。
常に冷静に対局してこそ、最終的にしっかりと勝利できる確率もあがってくると考えておくのがおすすめです。
行動する際に不自然な間や長考がある
最後は行動に関する部分です。
行動する際の不自然な間や、考える時間を長くとりすぎるのは三味線といわれてしまうことがあります。
相手が捨てた牌に対し鳴くような素振りを見せたり、打牌に余計な時間をかけたりするのは控えましょう。
山から牌をツモってきた際に、必要ない牌を必要な牌だと思わせて時間を使うのも三味線行為と判断されることがあります。
こういった行動について、実は初心者プレイヤーに多く見られてしまうという部分も実際にいわれています。
確かに初心者だと捨て牌がわからなかったり、どうしたらいいかわからず困惑したりする展開も考えられるでしょう。
プレイヤーによってはどうしてもそういう行動をとってしまいがちですが、なるべく不自然な行動を控えるようにしていれば問題ないため、意図的な行動はやはりやめておくのが正解です。
麻雀で三味線と判断されないようにするためには
麻雀で三味線だと相手にいわれたり判断されたりしないようにするためには、対局中の行いが非常に大切です。
どれも当たり前のこととはなりますが、いま一度基本に立ち返ってチェックしていきましょう。
自分の手牌を明かさないようにする
大前提として、自分の手牌を明かすような発言を行うのはNGです。
「○○がそろった!」や「○○は狙っていない」など、自分の手牌がわかるような発言をしながら牌をツモったり打牌するのは三味線行為です。
麻雀は相手の手牌がわからないからこそ、それを捨て牌のパターンから予想したり、相手に振り込んでしまわないように立ち回ったりするのが醍醐味のゲームです。
その醍醐味を根底から壊してしまう発言になりかねないため、手牌は秘密にするというのを大前提に楽しむようにしましょう。
ゲームに必要のない発言をしない
ある意味一番の対策ともなりえるのが、ゲームに必要のない発言をしないことです。
先ほど触れた手牌の発言もそうですが、さまざまな発言が三味線とみなされてしまうことがあるため、不必要な発言はすべて控えてしまうのがもっとも効果的だといえるでしょう。
発言しなければそもそも三味線につながることもなくなるので、余計な疑いを目を向けられなくなります。
冒頭でも軽く触れていますが、もちろん仲のよいメンバーで対局するときは雑談しながら楽しむのもよいでしょう。
相手によって自分の言動に気を付けるのはどのような場面でもあることなので、初対面の相手やあまり馴染みのない相手と対局する際は、あまり発言しないように意識しておくのが安全です。
嘘をついたり不正を働いたりしない
これも当たり前のことですが、対局中に嘘をついたり不正を働かないようにするのは大前提です。
本当はテンパっているのにもかかわらず、「まだテンパらない」などと発言したり、高得点の役が揃っているのにも関わらず「安い」と発言したり、嘘をつくのはやめましょう。
また、ほかのプレイヤーと手を組んで順位を操作しようとするのも不正とみなされます。
アガリ牌をあえて発言して手を組んでいるプレイヤーと意識的に立ち回ろうとするのも、三味線とみなされますので控えましょう。
麻雀の三味線に罰則はあるの?
ここまで麻雀の三味線がマナー違反であることは十分にお伝えしてきましたが、実際に三味線とみなされてしまった場合の罰則は具体的にどのようなものがあるのか、気になりますよね。
・フリー雀荘
・プロの競技
・オンライン麻雀
- 今回は上記の3つのパターンで、三味線となった際の罰則についてチェックしていきましょう。
- 罰則を知ることであらためて注意していこうという考えも芽生えやすいので、すべて目を通しておくのがおすすめです。
フリーの雀荘の場合の罰則
まずはフリーで営業している雀荘の場合での三味線の罰則ですが、正直ここは雀荘によって大きく異なります。
三味線とみなされたときは口頭注意で終わることが多いですが、厳しい雀荘だと三味線行為が見られた時点で即チョンボ扱いとなり、罰符の支払いやアガリ放棄として扱われてしまうパターンも見受けられます。
雀荘ごとにルールは異なるため、詳しくは訪れた雀荘でチェックしておくのが一番ですが、罰則の重さに関わらず三味線行為を働かないようにするのが一番です。
プロの競技の場合の罰則
プロ競技として開催されている麻雀の対局でも、三味線行為の罰則はあります。
多くの競技では「失格扱い」とされることがほとんどです。
また、今後同じ団体が取り扱う大会や競技にはいっさい参加できない、いわゆる出禁になってしまうこともあるためかなり注意が必要です。
競技大会の場合は具体的に「三味線」と明記されていることが少なく、迷惑行為や煽り行為、不自然な行動などと表現されていることが多いため、しっかりと意識して正々堂々と対局に臨むようにしましょう。
オンライン麻雀の場合の罰則
最後にオンライン麻雀での三味線の罰則ですが、正直なところ具体的な罰則はありません。
理由はとても簡潔で、オンラインだと三味線とみなされる行為のほとんどが実行できないから、というのがあります。
発言は基本相手に届かないというところや、ツモってから打牌する時間についても、システムで決まっているところが、三味線がオンラインでは難しいとされている理由です。
ですが、ときどき存在するオンライン麻雀を実況や配信などで提供している方は、視聴者から見て三味線だと思われてしまう場合があるため、少し特殊なケースではありますが注意しておきましょう。
麻雀の三味線に関するよくある質問
最後に、麻雀の三味線のよくある質問について触れていきます。
三味線の用語に関連する質問や、過去に三味線が招いてしまった事件のこと、プロの世界における三味線の扱いなどがあります。
気になる質問があれば、チェックしてみてください。
麻雀で「しゃみ」「しゃみる」とはどういう意味?
麻雀における「しゃみ」「しゃみる」はすべて三味線と同じ意味合いです。
単に略しているだけでその意味は特に変わらないため、対局中にこういった言葉を聞いた場合はすべて三味線だと考えてよいでしょう。
しゃみを弾く、三味線を弾いたなどといわれることが多いので、念のため覚えておきましょう。
麻雀の三味線事件とは?
麻雀の三味線といえば、過去に起きた三味線事件というのも有名です。
2013年ごろにあった十段戦で、当時のプロ雀士であった堀内正人さんという方が、三味線行為を行ったとみなされて失格とされてしまった事件です。
試合中にツモった牌を見て大きなため息をつきながら、捨て牌を叩きつけるように打牌したのが三味線と判断された要因といわれていますが、真実は定かではありません。
当時の動画をみても三味線にはみえない!といわれていることが多いですが、なぜか連盟が全会一致で失格と判断したことで物議を醸していたのが、この三味線事件です。
紛らわしい行為はこのように不当な罰則を受けてしまう可能性が捨てきれないため、普段から注意しておくのがよいでしょう。
麻雀の三味線はMリーグやプロの世界でも規制されている?
麻雀の三味線はプロの世界でももちろん規制されています。
明確に「三味線を規制しています」と明記されていることはほとんどないものの、迷惑行為などに該当して罰則を受けることは十分にあり得ます。
罰則は大会の失格や、今後同様の大会に出場できない出場停止処分が多く、プロの雀士からすればかなり大きなペナルティといえるでしょう。
まとめ|麻雀の三味線はマナー違反!言動や行動には注意しよう
麻雀の三味線はマナー違反とされ、容認されることはほとんどありません。
三味線は言動や行動が原因でみなされてしまうことが多く、ゲーム性を壊す発言や相手を煽る・惑わす発言、ツモるときや打牌するときの不自然な行動がおもな要因となります。
三味線になってしまうと罰則を受けることもあり、プロの世界だと大会に出場できなくなってしまう罰則を科せられることも。
このように、フリーの雀荘でもプロの世界でも三味線は避けるべき行為であることに変わりはないため、普段から行動や言動には注意しながら対局していくよう意識しましょう。